Social Impact Day 2025
Session
Session 3
2025.5.14 Wed 15:10-16:10
日本語
共催:
一般社団法人トラスト・ベースド・フィランソロピー・ジャパン
信頼を礎に学習と変革を促進する~トラスト・ベースド・フィランソロピーの可能性
社会課題が多様化・複雑化する昨今、非営利団体には、柔軟かつ迅速に課題解決に取り組むための新しい視点が求められています。こうした背景のもと、世界的に注目を集めているのが、資金提供者と受け手が「信頼」を基盤に共創と学びを深めながら社会変革を目指す、トラスト・ベースド・フィランソロピー(Trust-Based Philanthropy)です。
本セッションでは、トラスト・ベースド・フィランソロピーの実践が、資金提供者と受け手の双方にどのように戦略的価値をもたらし、持続的なインパクト創出につながるのかを掘り下げます。一見、「信頼」と「インパクト」は相反するように思えるかもしれません。しかし、これは決してインパクト測定を放棄するものではなく、むしろ「学び」のプロセスを強化し、資金提供者と受け手が共創的に評価に取り組むことで、長期的・本質的な変革を可能にするアプローチです。
企業のCSR・サステナビリティ担当者、財団、非営利組織、中間支援組織など、資金を提供する側・受け取る側のすべてにとって、本セッションは新たな視点と具体的なヒントを提供します。従来のモデルを超えて、信頼の連鎖による協働学習と共創が生み出す持続的なインパクトとは何か――その未来を、ぜひ共に考えましょう。
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Speaker
澤目 梢 氏 Kozue Sawame
フィッシュファミリー財団 JWLI代表
日米におけるフィランソロピー、非営利活動、起業支援の分野で、ジェンダー課題と女性のリーダーシップに20年以上取り組んでいる。ボストンと東京を拠点とするFish Family Foundationにて、JWLI(Japanese Women’s Leadership Initiative)の代表を務め、200名以上の女性リーダーのネットワークを統括している。AVPNのAsia Gender Networkの主要メンバーとして、アジアの女性と女の子を支援する資源動員にも貢献している。トラストベースドフィランソロピーやジェンダーレンズフィランソロピーについて国際的に発信しており、2025年にはWomen20日本代表にも選出。
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Speaker
岨中 健太 氏 Kenta Sowanaka
一般財団法人みてね基金 理事
2020年4月の「みてね基金」開始時より参画。助成プログラムを通じてNPOへの資金的支援を行うとともに、ネットベンチャーやメガベンチャーでの事業開発・組織マネジメントの経験を活かした伴走支援を行っている。2025年4月の一般財団法人みてね基金設立に伴い、理事に就任。トラストベースド・フィランソロピーの考え方に基づき、助成先団体との信頼関係を重視している。「みてね基金」のミッションであるすべての子ども、その家族が幸せに暮らせる世界を目指して、助成先団体にとって使いやすく、活動しやすい支援のあり方を追求した助成プログラムの開発と実践に取り組んでいる。
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Moderator
番野 智行 氏 Tomoyuki Banno
一般社団法人トラスト・ベースド・フィランソロピー・ジャパン 代表理事/NPO法人ETIC. ソーシャルイノベーション事業部 事業統括
NPO法人ETIC.にて、社会課題に向き合う営利・非営利組織に対する支援プログラムの企画・運営をリード。50を超える企業や行政、財団との協働を通して支援した団体数は、2002年の参画以降1,000を超える。資金の出し手・受け手の双方を経験する中で、複雑な社会課題に対して本質的な変化を生み出すには、信頼関係に基づいて無駄な仕事を減らし、学び合い、それぞれが進化し、力を合わせていくことが不可欠と確信。日本にも学びと実践のコミュニティを広げるべく、2025年2月のTBP-J設立に参画。